更年期障害について
*クリニックビルだより2023年春号掲載*
この記事を書いている現在は、寒さが増してきましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。
本日は当院にて行っている更年期障害の治療、啓発活動の一環でご縁があり、ラジオ出演をしたのでそちらのお知らせを致します。
2022年12月に放送が行われましたが、その様子を録画しており、You Tubeで放送されておりますので、更年期障害についてご興味のある方にはお勧めの内容となっています。
(最後は英字のアイです)
対談をさせて頂いたのはフリーアナウンサーの馬場典子さんです。テレビの中で見ている馬場さんよりも実際にお会いする方が魅力的で、とても笑顔の素敵な方でした。
馬場さんはご自身の更年期障害についてや日常でできる対応の仕方についても積極的に発言をされていらっしゃる方で、今回の対談はとても有意義な時間となりました。
今でこそ馬場さんのように発信をされる方が増えてきましたが、更年期障害は辛くても病気や治療の認知度が低く、治療を受けずに我慢している方が多いということが知られています。
更年期障害の治療は①漢方②ホルモン補充療法③プラセンタ④市販薬が治療の柱になってくることが多いです。その方の体質や病状によっても使える治療やお勧めできる治療が変わってきますので、もしつらい症状でお悩みの場合は一度ご相談されることをお勧めします。
しかし、ご自身の症状がひどいものかそうでないのか判断が難しいという方もいらっしゃいます。そういう方にも有用なもので、小山嵩夫先生の作成された簡易更年期指数(SMI)という指標があります。
次の症状が強い、中程度、弱い、無い(0点)、いずれかに丸をして点数を合計します。
顔がほてる(強い:10、中程度:6,弱い:3)
汗をかきやすい(強い:10、中程度:6,弱い:3)
腰や手足が冷えやすい(強い:14、中程度:9,弱い:5)
息切れ、どうきがする(強い:12、中程度:8,弱い:4)
寝つきが悪い、または眠りが浅い(強い:14、中程度:9,弱い:5)
怒りやすく、すぐイライラする(強い:12、中程度:8,弱い:4)
くよくよしたり、憂うつになることがある(強い:7、中程度:5,弱い:3)
頭痛、めまい、吐き気がよくある(強い:7、中程度:5,弱い:3)
疲れやすい(強い:7、中程度:4,弱い:2)
肩こり、腰痛、手足の痛みがある(強い:7、中程度:5,弱い:3)
点数による対策は以下の通りです。
0~25点の方はじょうずに更年期を過ごしていて今のところ問題ありませんが、
年1回の健康診断を受けましょう。
26~50点の方はバランスのよい食事、適度な運動を行い、無理のないライフスタイルを送り、更年期障害の予防につとめましょう。
51~65点の方は 産婦人科または更年期外来、閉経外来を受診し、薬などによる適切な治療、
生活指導、カウンセリングを受けましょう。
66~80点の方は長期間(半年以上)の計画的な治療が必要でしょう。
81~100点の方は各科の精密検査を受けましょう。更年期障害のみであった場合は、
産婦人科または更年期外来、閉経外来などで長期の計画的な治療が必要でしょう。
あなたはいかがだったでしょうか。
当院へ更年期障害の症状で受診された方は受診時点での点数を計測しています。点数は変化するものですので、何度計測しても構いません。症状が改善したか否かの指標にもなります。
是非ご自身の状況を知って治療に役立てましょう。