リング・ぺッサリー自己着脱外来
〜リング・ぺッサリー療法を受けられている患者様へ〜
現在、ペッサリー・リングを常に装着している状態です。
常に装着した状態の場合は、1~2か月ごとにペッサリーと膣内の状態を診察する必要がありますので、
定期的(1~2か月ごと)に、受診をお願いいたしております。
診察を怠ると、膣内の環境が悪くなり、おりものや出血の増加、膣内に埋没してしまう恐れがあります。
埋没した場合は、取り出さないと他の臓器へ影響を与えるため、手術となります。
膣内の環境を整えるために、当クリニックではペッサリーの自己着脱をお勧めしています。
膣の環境が整うことで、最大6か月ごとで受診可能となります。
医師の管理下で連続でペッサリーを装着している方とご自分でペッサリーを着脱して管理されている方、この2つの方法のメリットとデメリットについてご説明します。
連続装着法 | 自己着脱法 | |
方法 | 終日装着 | 患者様自身が着脱を実施 |
受診期間 | 1〜2ヶ月ごとに受診が必要 | 3〜4ヶ月の受診が可能(最大6ヶ月) |
メリット |
*自己管理が出来ない方も使用可能 (認知症・手指の完全麻痺がある方・精神的に問題がある方) *医療者が管理してくれる安心感 |
*腟内が荒廃しない。 (腟内雑菌の増加からおりものが増加し悪臭・炎症・びらん・潰瘍を合併する心配がない。) *脱落しても自分で整復可能 *性行為は可能 *手術を決意した際に手術予定が立てやすい |
デメリット |
*腟内に異物を入れ続ける ➡腟内雑菌の増加からおりものが増加し悪臭・炎症・びらん・潰瘍を合併する場合がある *放置すると腟内に嵌頓する恐れ ➡装着したリングやぺッサリーがとれなくなる |
*自己着脱の手技習得に時間がかかる患者もいる。 |
連続装着のデメリットで、頻回の発生する「おりもの増加」や「悪臭」が気になる場合は、自己着脱をお勧めします。
メガネ等と同じで、夜はペッサリーを外して日中活動時に自分で装着していただく事になります。
指導は個別で看護師が行います。(完全予約制:第1、3金曜日14:30~16:30)
この機会にペッサリーも自分で管理をしませんか?いつまでも快適に生活ができるように一度ご検討ください。
骨盤臓器脱について知っていますか?
聞きなれない言葉かも知れません。
言葉の通りですが、腰骨の骨盤の中にある臓器である腸や子宮、膀胱といった臓器が下がって生じる病態です。
出産経験のある高齢の方に多いですが、お若い方でも産後に子宮が下がって体外に出てしまうこともあります。
腟より臓器が下がってくるため、
「股に挟まった感じがする、歩きにくい」
「腟よりこぶが触れる」
「何か下がっている感じがする・違和感がある」
「尿が出にくい」
等の症状から自覚される方が多いです。
原因は、出産・閉経・便秘、腹圧がかかることが多い動作や仕事、締め付ける下着や服装等さまざまです。
徐々に骨盤底の筋肉が弱くなり、臓器を支えられず、骨盤内の臓器が下がったり腟より出てしまう状態となります。
骨盤臓器脱の種類は、どの部分が脆弱化しているかで変化します。
- 子宮脱
- 膀胱瘤
- 直腸瘤
- 小腸瘤
- 腟脱
など、部位や下がる程度により細かく分類されています。
治療方針の決定には、現在の骨盤臓器脱の状態や生活スタイル、他の病気などを考慮し、適切な方法をご提案させて頂きます。
そのうえで患者さんの希望に沿った治療を選択いたします。
- 保存的療法
・骨盤底筋トレーニング
・生活指導
・姿勢、動作、排泄状況の見直し
・ペッサリー保存療法 - 内服療
・漢方(四物湯・補中益気湯など) - 手術(当院では手術は行っておりません。専門病院へご紹介いたします)
当院の特色として、金曜に完全予約制で骨盤底トレーニング指導外来を行っております。
症状のごく一部の抜粋ですが、下記の症状に当てはまる方はいらっしゃいませんか?
- 外陰部への臓器脱出感や下垂感
- 尿もれ
- 尿意の切迫
- 頻尿
- 疼痛(性交痛・陰部痛)
大なり小なりこのような症状を抱えている方は多いと思います。
特に恥ずかしいことではなく、世代に共通して直面する課題なのです。
当院での指導内容は
- カウンセリング
- 骨盤底筋群の仕組みと骨盤底トレーニングの説明
- 経腟触診での骨盤底トレーニングの実際
- 日常生活のアドバイスや骨盤底筋以外の運動等の指導
- 自宅でのトレーニングプログラムの作成
- 2回目以降は自宅でのトレーニングの効果、状況確認やプログラムの見直し
を基本としております。
30分の内容ですが、盛沢山です。
ご来院の際はご予約の上、脱ぎ着しやすい服装でお願いします。